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不動産賃貸仲介の紹介獲得術|信頼関係構築からリピートまで

目次

賃貸仲介業で紹介獲得が重要な理由

賃貸仲介業において、紹介による顧客獲得は非常に重要な営業手法です。新規のお客様を獲得するためには、SNSなどのツールを活用した物件宣伝や問い合わせ対応、追客、内見案内など、多くの工程を経る必要があります。

しかし、既存顧客からの紹介やリピートであれば、こうした営業活動をほとんど行わなくても契約に至る可能性が高まります。実際に、リピート顧客の成約率は一般顧客と比較して圧倒的に高く、都内では一般顧客が10%程度の成約率なのに対し、リピート顧客は50%を超えることも珍しくありません。

私は不動産賃貸業界で20年の経験を積んできましたが、トップセールスと呼ばれる営業マンは例外なく、紹介獲得に力を入れています。なぜなら、紹介顧客は信頼関係がすでに構築されているため、契約へのハードルが低いからです。

信頼関係を構築する不動産営業マンとお客様さらに、リピーターは自分自身が再度契約するだけでなく、友人や知人を紹介してくれることも多いのです。ある仲介業者の事例では、焼肉屋の社長が成約した後、そこから店長や従業員、店長のパートナーを含めて計12人もの紹介につながったケースもあります。

このように、紹介獲得は営業活動の効率化と安定した売上確保のために欠かせない要素なのです。では、具体的にどのように信頼関係を構築し、紹介やリピートにつなげていけばよいのでしょうか?

信頼関係構築の基本ステップ

賃貸仲介で信頼関係を構築するための基本ステップは、お客様の立場に立って考え、真摯に対応することから始まります。不動産トップセールスが実践する信頼関係構築の方法には、いくつかの重要なポイントがあります。

まず最も重要なのは、お客様に対して純粋な興味を持つことです。なぜこのエリアで物件を探しているのか、どんな仕事をしているのか、休日はどのように過ごしているのかなど、住まいに直接関係のないことにも関心を示しましょう。

お客様との会話で信頼関係を深める不動産営業マンお客様への興味は、そのまま好意として伝わります。自分に「あなたのことを知りたい」と興味を持たれると嬉しいものです。お客様も同じ気持ちを抱くでしょう。住まいに関係のないことでも、積極的に質問してみることが大切です。

例えば、仕事の話から会話を広げてみましょう。「どんな仕事をされているのですか?」と質問し、さらに掘り下げて「具体的にどのような業務を担当されているのですか?」と尋ねることで、お客様の価値観や判断基準を理解することができます。

働き盛りの世代は、仕事に対する考えや誇りを持っていることが多いです。それを聞くことで、重要なことを決める際に大切にしていることや、どのように進めていきたいのかを理解できるようになります。

これらの情報は、物件案内の際の説明方法や提案内容にも活かせます。例えば、システムエンジニアで検査業務を担当している方であれば、適当な考えを嫌い、一つ一つ抜かりなく効率良く探すことを望まれるでしょう。そのような方には、可能性のあるエリアの全ての物件から選んでいることを丁寧に伝える必要があります。

お客様との信頼関係を深めるテクニック

信頼関係をさらに深めるためには、いくつかの効果的なテクニックがあります。これらを日々の営業活動に取り入れることで、お客様との関係性を強化し、紹介やリピートにつなげることができるでしょう。

接触回数を増やして「親しさ」を感じてもらう

お客様との接触回数を増やすことで、「親しい」と感じてもらえる効果があります。適切な訪問、郵送、メール、電話などを通じて、何度も会ったことのある人と会うときのように心を許してもらえるようになります。

例えば、案内が決まり、お客様のご条件に合う物件がこの一件しかないというケースでは、初対面で決めきらなければ次の機会はないかもしれません。このような場合には、案内前日までに「直筆のごあいさつ文」と「物件資料」「自己紹介カード」を忍ばせた封筒を持参し、失礼でない時間を見計らってお客様のお宅へ訪問するとよいでしょう。

物件資料を丁寧に説明する不動産営業マン夜遅すぎる時間やご飯時などは避けるべきですが、このような事前訪問によって、たとえ会えなくても、お客様は「あの▲▲さんね」と受け入れる態勢が整い、初対面の壁を越えられます。

雑談・世間話でリラックスしてもらう

相手と波長を合わせていくことも重要です。話すテンポや価値観が合ってくると、お客様に受け入れる態勢が整い、次のステージにスムーズに進むことができます。

ニュースや天気、交通状況など時事ネタを交えた雑談は、お客様をリラックスさせる効果があります。特に緊張しがちな初対面の場では、このような何気ない会話が信頼関係構築の第一歩となるのです。

自分を顧客の立場に置き、感情を分かち合うことも大切です。お客様に憑依するイメージで、もし私がお客様と同じ性別、年齢、仕事、背格好、状況(家族構成)だったなら、と想像力を膨らませてみましょう。

「なぜこの人(営業)は、私のことをこんなにも分かってくれるのだろう」と思ってもらえるような提案ができれば、信頼関係はさらに深まります。

リピーターを獲得するための具体的な方法

リピーターを獲得するためには、最初の契約時の対応と契約後のフォローの両方が重要です。具体的な方法を見ていきましょう。

100点満点を目指さず「不満を作らない」ことが重要

リピーターになってもらうために最も大事なことは、自社のサービスに満足してもらうことですが、必ずしも100点満点を目指す必要はありません。お客様の好みは様々であり、全てのお客様を完全に満足させることは難しいものです。

むしろ、減点されないこと、不満点を残さないことが重要なのです。70〜80点の満足でも、大きな不満がなければ良い印象で終わります。しかし、途中まで満点だったとしても、何らかの理由で大きな不満点が見つかってしまえば、それまでの満足も全て無になってしまう可能性があります。

契約後も丁寧にフォローする不動産営業マンこれまでのお客様の声を参考にしながら、不満を残さない接客・サービスを心がけることが、リピーター獲得への第一歩となります。

丁寧なアフターフォローで忘れられない存在に

最初の契約が無事に終わったからといって気を抜いてはいけません。本番はこれからです。一般的に賃貸物件の契約更新は2年に1度ですから、更新に合わせて引っ越しを考える人も出てくるでしょう。

そのときに自分のことを忘れられないためには、入居してからも定期的に連絡を取り、密な信頼関係を築いていくことが重要です。

忙しい毎日の中で、すでに契約が決まったお客様にまで気を配り、葉書を送ったりLINEやメールで連絡を取ったりするのは大変かもしれません。しかし、一人でもリピーターが増えてくれれば、結果的に新規顧客を獲得するための手間が減るのですから、この手間を惜しまずにアフターフォローにこそ力を入れるべきなのです。

リピート・紹介につながる具体的な施策

リピーターや紹介を増やすための具体的な施策には、どのようなものがあるでしょうか。日々の業務に取り入れやすい方法をいくつかご紹介します。

内見〜入居するまでのフォロー

契約が決まってから入居するまでの期間は、お客様との信頼関係を深める絶好の機会です。この期間に丁寧なフォローを行うことで、お客様の満足度を高めることができます。

例えば、入居日に感謝のメールを送ったり、引っ越し後に電話で問題がないか確認したりするだけでも、お客様に「大切にされている」という印象を与えることができます。

手書きの葉書を送る

デジタル全盛の現代だからこそ、手書きの葉書は特別な印象を与えます。入居後の挨拶や季節の挨拶、誕生日のお祝いなど、定期的に手書きの葉書を送ることで、お客様の記憶に残る営業マンになることができます。

手書きの葉書を書く不動産営業マン特に、入居から1ヶ月後に「お部屋には慣れましたか?何か困ったことはありませんか?」といった内容の葉書を送ると、お客様に親身に対応している印象を与えられます。

暮らし心地のアンケートをお願いする

入居から3ヶ月程度経ったタイミングで、暮らし心地についてのアンケートをお願いするのも効果的です。これにより、お客様の現在の満足度を把握できるだけでなく、何か問題があれば早期に対応することができます。

アンケートの内容は、「周辺環境は便利ですか?」「お部屋の使い勝手はいかがですか?」「何か困っていることはありませんか?」など、シンプルなものでかまいません。

アンケートの回答に基づいて、必要があれば改善策を提案することで、お客様の信頼をさらに獲得することができます。

LINEやSNSを使って連絡しやすい環境を整える

若い世代のお客様であれば、LINEやSNSを活用した連絡方法が効果的です。契約時にLINEの交換をお願いし、定期的に近況を尋ねたり、地域の情報を共有したりすることで、気軽に連絡を取り合える関係を構築できます。

ただし、プライベートな連絡先を共有する際は、業務用のアカウントを使用するなど、プロフェッショナルな距離感を保つことも重要です。

更新のタイミングで連絡

契約更新の2〜3ヶ月前には必ず連絡を入れ、更新の意思を確認しましょう。この際、単に更新の手続きについて説明するだけでなく、「これまでの暮らしはいかがでしたか?」「何か不便に感じていることはありませんか?」と尋ねることで、お客様の現在の状況や将来的なニーズを把握することができます。

もし引っ越しを検討しているようであれば、新たな物件の提案ができますし、知人や友人で引っ越しを考えている方がいないか尋ねることで、紹介につなげることもできます。

法人顧客との信頼関係構築

個人のお客様だけでなく、法人顧客との信頼関係構築も賃貸仲介業では重要です。法人顧客は継続的な取引が期待できるため、特に力を入れるべき対象といえるでしょう。

地域の中小企業との関係構築

創業間もない中小規模の不動産会社は、大手企業と契約を結ぶのは難しいかもしれません。しかし、地域の中小企業も同じ悩みを抱えている可能性があります。

例えば、比較的規模の小さい会社で「社員の福利厚生として部屋を用意してあげたい」となったとき、大手の不動産会社では規模的に対象外になるケースがあります。そのような中小企業に対して丁寧に対応することで信頼関係が生まれ、社員のお部屋探しでご利用いただけるようになるのです。

自社と同程度の規模の会社を大切にすることは、安定的な集客や収益にもつながります。近隣にある中小の会社を大切にすることで、直接の取引が発生しなくても誰かを紹介してもらえたり、他のビジネスに発展する可能性もあるのです。

積極的な顔出しで人脈を広げる

地域の催事やお祭りごとなどの行事へ積極的に参加することも大切です。行事があったら必ず顔を出して、何かお手伝いできないかと首を突っ込むようにしていると、顔なじみになっていきます。

何かのきっかけで取引につながったら、そこから誰かをご紹介いただくよう依頼してみましょう。「近隣の同じような業者さんやご友人の会社を紹介してください」とお願いすることで、人脈を広げることができます。

会ってすぐに商売にならなくても、ご紹介いただいたら必ず顔を出して挨拶することが大切です。あらゆる機会を活かして地道に広げた人脈は、後から大いに役立ちます。そして、一度でもチャンスが与えられたのなら、そこで全力を尽くしてきっちり決めきることがポイントです。

まとめ:紹介獲得は賃貸仲介業の要

賃貸仲介業において、紹介やリピートによる顧客獲得は非常に重要です。新規顧客の獲得には多くの時間と労力がかかりますが、紹介顧客は信頼関係がすでに構築されているため、成約率が格段に高くなります。

信頼関係構築の基本は、お客様に純粋な興味を持ち、真摯に対応することです。住まいに関係のないことにも関心を示し、お客様の価値観や判断基準を理解することで、より適切な提案ができるようになります。

また、接触回数を増やして「親しさ」を感じてもらったり、雑談・世間話でリラックスしてもらったりすることも効果的です。リピーターを獲得するためには、100点満点を目指すよりも「不満を作らない」ことが重要であり、契約後の丁寧なアフターフォローが欠かせません。

具体的な施策としては、内見〜入居までのフォロー、手書きの葉書の送付、暮らし心地のアンケート、LINEやSNSを活用した連絡、更新時のタイミングでの連絡などが挙げられます。また、法人顧客との信頼関係構築も重要であり、地域の中小企業との関係構築や積極的な顔出しによる人脈拡大が効果的です。

これらの取り組みを日々の業務に取り入れることで、紹介やリピートによる安定した顧客獲得が可能になります。賃貸仲介業で成功するためには、単に物件を紹介するだけでなく、お客様との信頼関係を大切にし、長期的な視点で営業活動を行うことが重要なのです。

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